カメラを持って外出したときや、気温差のある場所で撮影したとき、レンズが急に曇ってしまった経験はありませんか?
「とにかく早く曇りを取りたい!」と焦るあまり、ついやってしまいがちなNG行動が実はレンズやカメラ本体に大きなダメージを与えてしまうことも。
今回は、プロカメラマンや修理の専門家が口を揃えて「絶対にやってはいけない!」と警告する曇り取りのNG行動と、正しい対処法を詳しく解説します。


目次
- 温風ドライヤーやヒーターでレンズを乾かすのは厳禁!
- レンズを自力で分解するのは非常に危険
- ティッシュや衣服でレンズを拭くのはNG
- 強い洗剤やアルコールで拭くのは危険
- 急激な温度変化を与えるのはNG
- 息を吹きかけて曇りを取るのも要注意
- まとめ
1. 温風ドライヤーやヒーターでレンズを乾かすのは厳禁!
レンズが曇ったとき、手っ取り早く温風ドライヤーやストーブ、ヒーターの前で乾かそうとする人がいますが、これは絶対にやめてください。
高温の風を当てることで、レンズ内部の湿気がさらに奥に入り込んだり、急激な温度変化でレンズや接着剤、コーティングが劣化・変形する恐れがあります。
最悪の場合、レンズ内部のカビ発生や曇りが悪化する原因にもなります。
2. レンズを自力で分解するのは非常に危険
曇りがレンズの内側に発生した場合、「分解して掃除すればいい」と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、カメラレンズは非常に精密なパーツで構成されており、素人が分解すると元に戻せなくなったり、ピントが合わなくなる、コーティングを傷つけるなど重大なトラブルにつながります。
内部の曇りやカビは、必ず専門の修理業者に依頼しましょう。
3. ティッシュや衣服でレンズを拭くのはNG

曇りを取ろうとして、つい手近なティッシュペーパーやハンカチ、Tシャツの裾などでレンズを拭いてしまう人も多いですが、これも絶対に避けるべき行為です。
これらは繊維が粗く、細かなゴミやホコリが付着していることが多いため、レンズ表面に細かい傷をつけたり、コーティングを剥がしてしまうことがあります。
レンズを拭く際は、必ず専用のクリーニングクロスやレンズペーパーを使用しましょう。
4. 強い洗剤やアルコールで拭くのは危険
曇りや汚れを落とそうと、家庭用の強い洗剤やアルコール、除菌スプレーなどを使うのは絶対にやめてください。
これらの成分はレンズ表面のコーティングを傷めたり、変色や劣化の原因になります。
レンズクリーナーとして市販されている専用液や、カメラ用のクリーニング用品以外は使わないようにしましょう。
5. 急激な温度変化を与えるのはNG
屋外の寒い場所から暖かい室内に入ったときなど、急激な温度差でレンズが曇ることがあります。
このとき、すぐにカメラをバッグから出したり、レンズを露出させると結露が発生しやすくなり、曇りやカビの原因になります。
寒暖差のある環境では、カメラをバッグやケースに入れたまましばらく置き、徐々に温度に慣らすことが大切です。

6. 息を吹きかけて曇りを取るのも要注意
レンズの曇りを取るために、息を「フーッ」と吹きかけて拭く人もいますが、これもおすすめできません。
人の息には水分や油分、雑菌が含まれているため、レンズ表面に新たな汚れやカビの原因を残してしまうことがあります。
〜曇りが発生したときの正しい対処法〜
外側の曇りの場合:
- まずは専用のクリーニングクロスやレンズペーパーで、やさしく拭き取ってください。
- どうしても曇りが取れない場合は、乾燥した場所でしばらく放置すると自然に消えることもあります。
内側の曇りの場合:
- カメラやレンズを密閉できる袋に乾燥剤(シリカゲルなど)と一緒に入れ、数日間保管してみましょう。
- それでも曇りが取れない場合や、内部にカビが発生している場合は、無理に触らず専門業者に相談してください。
〜レンズの曇りを防ぐための予防策〜
- 急激な温度差を避ける(カメラをバッグに入れて徐々に温度を慣らす)
- 使用後は乾燥した場所で保管し、定期的に乾燥剤を交換する
- 長期間使わない場合は、防湿庫や密閉ケースで保管する
- レンズ表面に触れないように注意し、クリーニングは専用用品を使う
7.まとめ
カメラレンズの曇りは、焦って自己流で対処するとかえって悪化させてしまうことが多いトラブルです。
「温風ドライヤーで乾かす」「自力で分解する」「ティッシュや衣服で拭く」「強い洗剤やアルコールを使う」「急激な温度変化を与える」「息を吹きかける」などは絶対に避けましょう。
大切なカメラを長く使うためにも、正しい知識と道具でケアし、困ったときはプロの力を借りることをおすすめします。

